ください。

ください。

光を、ください。
音を、ください。

彩やかな色を――
季節の花々の香りを――
にじむように美しい夕空の景色を――
心弾むリズムを――　ください。

おだやかな眠りを――
うららかな目覚めを――　ください。

――ください。

あの人に伝えるための声を――
温度のあるコトバを――
温もりのある力強い握手を――
ゆきわたる合図を――
悩まないココロを――　ください。

――ください。

車椅子でも平気な階段を――
風をきって走ることのできる靴を――
この指先で読める辞書を――
うまく書ける鉛筆を――

失敗しないトイレを――
自立するための制度を――
世間にある情報の波を――

安心して暮らせる家を――
安全な街を――　ください。

ひとりで着られる洋服を――
気軽に買い物ができる店を――
自分の手で食べられるお箸を――

心の底からの歌声を――
みんなと同じ旅の思い出を――　ください。

笑顔で囲む食卓を――
正直になれる真実の友を――
かけがえのない約束を――
ともに時間を過ごせる話し相手を――　――ください。

この手でラブレターが書ける魔法を――
過去に戻れるタイムマシーンを――　――ください。

――ください。

助けのいらない日常を――
人と違わない世の中を――

ください。

モノやコトじゃない、なにかを――

やさしさをひとつ、ください。

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いきなりすみません。これは私の通っている大学の事務室の前に置いてあったフリーの冊子の内容です。
「ください。」と言うタイトルで、シンプルだけど深い詩と綺麗な写真が載っていて、日記に載せてみました。
良い言葉が綴ってあると思いませんか？
私は、良いなと思いました。そうだなって思いました。